Newsletter 2020/03 vol.31

母乳のデータ解析を開始!
昭和大学との共同研究が実務レベルではじまりました。
病院内で生後3日の母乳と赤ちゃんのうんちを採取し、次世代シーケンサーをつかってデータ解析をはじめています。サンプルとして提供して頂いた生後3日の母乳をみたら、少し黄色ぽい感じがし、それぞれ少しずつ色が違っているようでした。
初期Phaseでは10組の母子に協力頂いて、合計3回(生後3日、14日、30日)の母乳と赤ちゃんのうんちをサンプルとして提供頂く計画をしています。10組のサンプルからどんなことがわかるかはまだわかりませんが、いろんな可能性を試していきたいと思います。

この研究活動から結果を得るために、より多くのデータを集める必要があります。3月下旬からREADYFORでクラウドファンディングを通じて、資金を集めて、解析できるサンプル数を増やしていきたいと考えています。詳細が決まりましたら、ご案内しますので、ご支援よろしくお願いします。

Plug and Playアクセラレータープログラムに参加して感じたこと
昨年12月から参加しているPlug and Playアクセラレタープログラムですが、3月初旬に予定していたデモデイが新型コロナウィルスの感染拡大が懸念されるため中止となり、最後の成果報告が大人数の前でできなくて、ちょっと残念ですが、仕方ありませんね。

Plug and Playに参加して感じたこと
・計画の具体化と行動のスピードアップ
確実にスケジュール(時間)を前倒し、計画を具体化することができました。これは大きな成果です。
本来アクセラレータプログラムは、シード期、シリーズA期のスタートアップが資金調達するために試行錯誤するもので、自分たちにとっては少し早い感じのものでした。気づきとしては、共同研究でプロトコルに従ってデータを集めて、エビデンスを示し、事業価値を評価してもらえる条件を早くかためる必要性を強く認識しました。
・インプットの質の向上
他のスタートアップのプレゼンを聞いたり、ある期間に何度も情報交換を深めることで、それぞれのビジネスモデルへの理解が深まりました。これからのビジネスは一人勝ちよりも緩やかな連携によるネットワークがポイントになるので、スタートアップ同士でのコラボレーションの機会が増えることは大きな意味がありました。互いに上下の関係ではなく、同志という関係であるので、フラットな関係で話ができる意味は大きいと思います。
・協業(仲間探し)
今回のプログラムの目的の1つして設定されていた大企業との協業というテーマでは、2社ほど継続的に討議をしましょうということになりました。
産前産後ケアに関するテーマはまだまだ一般には認知されていないこともあり、ビジネスとして取り組むためには認知啓蒙活動から必要であり、それを大手企業と一緒に取り組める可能性ができたことはほんとありがたいことです。
・グローバルの視点
海外からプログラムに参加している企業をみていると、スタートアップに国境はなく、グローバルな視点で活動することの大事さを実体験として感じました。日本だけの市場を見ているのではなく、最初からグローバルの市場を意識した活動がグローバルでは当たり前なのだと。

Plug and Playのスタッフの方たちに、ほんと感謝です。
1つのプログラムにいろんなタイプのビジネスがあり、スタートアップのステージも状況も異なるにも関わらず、1つにまとめて運営することは、ほんと大変だったと思います。いろんな人たちが支援して頂いていることを考えると、確実に市場へ出して課題を解決することを実現しなければならないと感じ、それが彼らの期待に応えて、恩返しだと思いました。

ハイキャリア女性の出産育児の課題調査について
知人のマーケティング調査会社にハイキャリア、高齢出産、最近子どもが産まれた(末子が3歳くらいまで)女性を対象に、10人にインタビュー形式で母乳や授乳、育児、仕事などに関する課題を調査してもらいました。本音ベースでどこに課題や悩みがあるのかを知りたいのですが、自分たちではなかなかリーチできなかったので、女性起業家であり、子育て中の知人にお願いをし、なかなか条件の厳しいところ、アウトプットを出して頂くことができました。ほんとありがとうございました。まだ分析まではできていませんが、第一印象としては、男性が家事、育児をしないことへの不満が顕著でした(笑

Webサイトリニューアルしました

これまで共働き、子育てに関する課題をテーマに活動してきました。
そこで授乳や母乳の課題を知り、母乳中の細菌(フローラ)に関する研究を開始し、本当に取り組むべき課題が産前産後ケアだと考えるようになったので、伝えたいメッセージを整理し、Webを通じて発信させて頂くことにしました。

産前産後ケアに課題をもち、解決していきたいと思っている方、ぜひ一緒に課題解決に向けて活動していきたいと思ってますので、ご連絡よろしくお願いします。

Newsletter 2020/02 vol.30

一進一退、だけど確実に前へ

2020年がはじまって1ヶ月。
計画を具体的に実行し始めたことで、少しは事業らしくなってきた感覚があります。それは話をしている相手の方の反応も少し変わってきたような気がしてます。その具体的な活動状況を報告させて頂きます。
「The First Diet for Life」を発行!
男性視点で授乳や母乳に関する課題を、社会科学と自然科学の視点から整理することで、授乳や母乳を女性だけの課題ではなく、男性も社会も考える課題にしようと考えています。
また、この分野を広く浅く学ぶことが難しいので、本書がその入門書の役割になればと期待しています。
出版社にお願いして本を作るとお金がかかるため、そんな余裕がないので自費制作という形態で本というカタチにし、自分たちの活動を発信することを優先しました。
読んでいただいた人たちからフィードバックをもらい、内容を充実させることができた時点で、より多くの授乳について問題意識を持っている人たちとつながることができるように、出版社を介して書籍化できればと考えています。
1冊 1,000円(税込)で販売させて頂きます。
もしご興味ある方、ご連絡下さい。
(本書の売上の一部を、母乳バンクの活動に寄付します)

READYFOR(クラウドファンディング)を計画!
昭和大学との共同研究がスタートし、出産されたお母さんと赤ちゃんからサンプルを採取し、データを解析しはじまりました。第1弾は10組の母子を対象としていますが、何らかの相関をみるためには、もう少し母数を増やす必要があり、合計30組のサンプルが必要と考えています。そこまでサンプルを解析することができれば、論文として発表できるのではないかと考えています。
そのためには、サンプルを解析するための資金が必要となるので、第2弾はクラウドファンディングを活用する計画です。
SDGsという文脈で企業とタイアップし、クラウドファンディングしようと試みましたがが、今回は不採択となり、単独で進めることになったのでREADYFOR社と企画を進めているところです。3月からスタートできるように計画しているので、皆様、ご支援ならびにSNSでの拡散についてご協力をお願いします。

妊産婦と助産師とをデジタルでつなぐ!
産前産後の課題の1つに妊産婦の孤立があります。この孤立を防ぐため、専門家が積極的に介入することで産後うつの発症率は軽減することはわかっています。しかし、現状は助産師と妊産婦との関係は点(ポイント)であり、常につながっている線や面ではありません。それをスマホアプリを活用することで、いつでも妊産婦と助産師がつながってる関係を作ることで、妊産婦の孤立を改善するきっかけにしたいと考えています。この仮説が有効かどうかをモック環境を作り、2月下旬から実証実験をはじめます。ようやく自分たちが得意なIT分野での試行錯誤ができるようになりました。

子育て領域のスタートアップな人たちの活躍!
経産省が主催する「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2020」で、子育てをテーマにスタートアップとして活動している知人が2名も受賞しました。
おめでとうございます。

ビジネスコンテスト部門グランプリ:
CI Inc.園田さん(病児保育Web予約「あずかるこちゃん」)
ビジネスコンテスト部門優秀賞:
アトピヨ赤穂さん(アトピー見える化アプリ「アトピヨ」)

日本で子育て領域はなかなかビジネスにすることが難しいと思っていましたが、この領域もお金が動き、ビジネスになる可能性がでてきたようで、こそらぼもチャンスかもと勝手に思ってしまいました。来年はこの舞台に自分たちが立てるように頑張っていこうと思いました。
勝負は3月!
今年の計画では3月が一つの山場になります。Plug and Playのデモデーが予定されていることと、READYFORのクラウドファンディングによるデータ解析資金の調達で、とても大事なイベントとなります。皆さんに協力させていただくことが多くなるかと思いますので、その際はよろしくお願いします。
一歩ずつ前へ、確実に進んでいます。

Newsletter 2020/01 vol.29

A HAPPY NEW YEAR 2020

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

サービスローンチに向けて
今年の目標は「母乳ドック(仮称)」をサービスローンチすることです。そのためにすべきことは、共同研究によりデータに基づく仮説作りとその仮説を検証した基準作りが必要で、それをするために必要な資金を確保することです。
共同研究において
これまでなかなか承認されなかった昭和大学との共同研究に関する倫理審査委員会も年末ギリギリに通過しました。1月下旬にはサンプルを採取し、データ解析を始める目処がたちました。
最初のデータ解析は、10組の母子を対象に実施する計画をしています。その後解析するデータ数量を増やし、仮説・検証を繰り返し、基準値を作る計画をしています。このデータ数量を増やす時に、クラウドファンディングを活用し、私たちの取り組んでいるテーマに賛同してもらえる人を募り、資金を確保できないか思案中です。このクラウドファンディングが成功するかが、2020年前半の大きなポイントになるので、詳細が決まり、告知できるようになれば、ご協力の案内をさせてもらいますので、よろしくお願いします。
認知を高めるために
現時点で、母乳の状態を評価する基準も仕組みもないので、それができるサービスがあると言っても、そもそもピンときません。だから、その存在をまずは認識してもらう必要があります。そのための施策として、昨年準備をしてきました本を活用しようと思っています。出版社から本を出そうかと考えていましたが、制作費用と出版時期とで合わないと判断し、自費制作という形態で冊子として作ることにしました。自分たちで校正してみましたが、読み易い本にするにはやはりプロはプロだと実感しましたが、自分たちが言いたいことはしっかりと主張しているので、ご興味ある方はご連絡下さい。
タイトル:The First Diet for Life
     〜赤ちゃんにとって人生最初の食事について考えてみよう!〜
価格:  1,000円(税込)

デジタルコミュニケーションに関する検証
「母乳ドック」という母乳の状態を調べるサービスのことばかり進捗を報告していましたが、実はそれとあわせて企画していることがあります。それは、妊産婦と医療従事者(助産師、保健師、医師)とが、スマホのアプリを介して、いつでもコミュニケーションができるようにする仕組みです。海外の研究では、産前産後に医療従事者が妊産婦に積極的に係ることで、産後うつの発症率が低下したというレポートがあり、その有効性は感覚的にも正しいと思っていますが、従来のFace to Faceでやろうとすると、医療従事者の負荷が更に高まり、みんなが辛くなると思われるので、デジタルを活用してみてはどうかと考えています。
まずは私たちが考えている仮説が成立するのかというところから検証し、どんなことができれば利用されるかなどを考えていく計画をしています。
こちらも2020年前半に仮説・検証を実施したいと考えているので、ご協力を頂ける方、ご連絡下さい。
産前産後ケアに変化
2019年の新生児は86万人と速報が流れ、少子化が加速しているということは多くの人が認識したと思いますが、それに対して、国も企業も本気に対策を進めなければというモードになってきたのも事実です。
昨年11月にピジョン社が国内で2番目に母乳バンクを設立するという発表した後、12月末、厚生労働省が母乳バンクの整備を検討すると発表し、企業も国も動き初め、産前産後ケアの充実に向けて加速してきました。この流れをうまく活用し、私たちもその流れに乗ってビジネスを加速させていきたいと考えています。そこで、先ほどの冊子の収益の一部を母乳バンクの活動に寄付することにし、日本母乳バンク協会へも伝えました。
2020年
ヘルスケアをテーマにしたスタートアップは他の領域のようなスピード感ではなかなか動けませんが、確実に足下を固めて土台を作り、きっちりパズルのピースを埋めることで、市場を創出できるかもという手応えが出てきた。だからそれを1つずつきっちり進めることを継続し、手応えをカタチにしようと思います。
引き続き、ご協力をよろしくお願いします。

アカデミアとの共同研究開始

2019年12月27日に倫理審査委員会にて母乳中の細菌に関する研究に関する研究について承認を得ることができました。2020年1月より本格的に生体サンプルを採取し、データ解析を実施することになりましたことを、ご報告させて頂きます。

Newsletter 2019/12 vol.28

今年の目標、なんとかギリギリ

Plug and Play Batch4に採択される!
Plug and Play Batch4というアクセラレータプログラムに採択されました。分野はインシュランステック分野です。このプログラムに参加して、生命保険会社との事業シナジーおよび資金調達に向けた検討を進めていきます。
事業シナジーとしては、産前産後ケアというテーマでは今年12月から施行される「成育基本法」と今年12月に国会で決まる「母子保健法」改正などの法律の変化で、いろいろ動きやすくなると期待されています。特に、現在の産前産後の妊産婦と専門家(医師、助産師、保健師など)との関係は弱く、妊産婦の孤立とも関係があると考えているので、何とかしていきたいと考えていますので、生命保険会社とのコラボレーションによって仮説を検証しようと考えています。
1つの仮説として、妊産婦と専門家との間にスマホアプリを提供することで、デジタルコミュニケーションを行える環境を作り、いつでも妊産婦は専門家に相談できるという関係を作ることが有効であると考えています。特に、普段から関係があり、信頼できる助産師と妊産婦が、デジタルコミュニケーションができることがポイントであり、助産師の方に協力してもらって、実証実験を行いたいです。
海外では、産前における妊産婦への専門家による介入は産後うつなどの疾患には有効な対策であるという論文がすでに報告されているので、研究で終わるのではなく、実際の社会で実用できるようにしていきたいと考えています。
資金調達において、今回のプログラムは当社のビジネスモデルをブラッシュアップし、計画を具体化する上で好機だと捉えています。母乳に関するデータ解析が始まると、次はサンプル数を増やし、データの傾向を捉えていくことが勝負になります。そのためには資金調達が必須の状況です。しかし、研究段階の企業への出資は各社ともに慎重になるため、助成金や補助金、クラウドファンディングなど、いろんな方法での資金調達を考える必要があります。
いろんな資金を使ってデータ解析を行い、十分な結果が得られて初めて、自分たちが実現しようとしていることの価値が、投資家に評価できる状態になるからです。
投資家に評価してもらる状況とは研究フェーズが完了した時点ということであり、サービスローンチに向けて開発がスタートするタイミングです。
この2段階のハードルを、2020年に一気に超えていくための計画が今求められており、それを考える機会が今回のプログラムであり、期待しているところです。

書籍の出版に向けて
男性視点から母乳や授乳、育児全般の課題をテーマに本を書いていて、ドラフトまでできたと先月報告しましたが、今は出版社にコンタクトして、出版できるかどうかの交渉をしています。いくつかの出版社からは自費出版という形態で出版しましょうというオファーをもらい、どうするかを考えているところです。
出版形態には、商業出版と自費出版とがあります。商業出版であれば、制作費用は出版社が負担しますが、自分たちが書きたいことは変えられる可能性があります。一方、自費出版は制作費用を自分たちで負担するので、書きたいことを書くことができ、出版に向けての支援をしてもらうことができます。今回のケースだと、自費出版になるのかなぁと思っています。自費出版でも書店に流通し、一般の人たちへメッセージを届けることができるので、そこは変わりません。
そこで、出版に関わる費用をクラウドファンディングで協力者を募れないかと考えており、年明けに具体的な進め方を決めていきたいと考えていますので、周りに詳しい人や協力してくれる人がいれば、ご紹介をよろしくお願いします。
また、ドラフトとなる原稿はできているので、本に掲載して欲しいテーマがある方はぜひお声がけいただきたく思います。

1000人ヒアリングは850人
2018年3月から始めているビジネスモデルを1000人に聞いてみるという活動、850人まで来ました。最初の頃からすれば、かなりビジネスモデルをクリアに説明できるようになり、具体的に何を協力してほしいかを伝えることができてきたという感想を持っています。ただ、やはりまだまだ不明確なところがあることもわかっているので、それらをクリアにすることができたところが1000人なのかなぁと漠然と思っています。
今年もあと1ヶ月。
来年の計画を、12月はしっかりと固めて、新年度を迎えることができるようにしていきたいと考えています。