Newsletter 2018/03 vol.7

子育て、共働き世帯の「時間」

今回は子育てと共働きを解決するための仮説、
  子育て✖️共働き → パパ✖️時間
の「時間」について考えてみます。(前号では「パパ」についてまとめたので)
子育て中の共働き世帯は「時間」がないと感じます。1日24時間は変わりません。だからその時間をどのようにやりくりするかが求められます。子育て中は自分でコントロールできないことが多く、時間を融通させるのに苦労します。

この課題に対して、仕事しながらの子育てでどんなこと(タスク)を限られた時間の中で行わなければならないのかを整理することで課題を整理することができると考えています。子育て、共働き世帯の「時間」を1)家事、2)お世話、3)遊び相手と、4)仕事という4つのタスクに分けて考えます。
1)家事
家事は食事、洗濯、掃除など生活する上で必要なことです。子育て中とか共働きだからとか関係なく必要なタスクです。(今回ここは掘り下げません)
2)お世話
お世話は育児の固有のタスクの1つで赤ちゃんが誕生してからママ、パパの経験の有無に関係なく始まります。生まれたての赤ちゃんは自分で何もできないので、ママからおっぱいをもらったり、誰かにオムツを替えてもらったりとお世話してもらう必要があります。子どもが成長するにつれ、自分でできることが増え、ママやパパのお世話の負担は減っていきます。
3)遊び相手
遊び相手とは育児の2つ目のタスクです。子どもが小さいときは誰かと接し、遊びを通じていろんなことを学ぶ機会をえます。また赤ちゃんの頃はパパやママがお世話と遊び相手とに区別なく、ずっと一緒にいることが多いですが、子どもが成長するとともに、常にママやパパが遊び相手でなくても、一人で遊ぶようになり、友だちと遊ぶようになります。そして、親と遊ぶよりも友達と遊ぶ方がよくなっていきます。
4)仕事
子育てが始まった時に、パパもママもこの仕事に対する意識が一変します。多くのパパもママも仕事をだらだらするのではなく、限られた時間で効率的に集中してするようになります。ただ組織に所属して仕事をしていると、個人の事情で時間を制御しづらい状況が発生するのもしばしばありますが、政府主導で進める「働き方改革」により少しずつ変化が出てきているようにも思います。ただ、問題の根底には、仕事の評価がある一定期間でのパフォーマンスに軸が置かれており、単位時間あたりのパフォーマンスで評価する仕組みになっていないかと最近考えています。
これらの4つのタスクに関するウェイトは状況において変化します。必要に応じて外部の力を借りることもできるし、シェアという概念が広がっていることでいろんな選択肢が整備されつつあります。子育ては一人でするものでなく、周りの協力を得ながらするものと考えることで、必要に応じて外部の協力を仰ぐことで少しは余裕が出るのではないかと思います。
「子育てのPDCのCはコミュニケーション」
次に、育児をパパとママとで一緒に行うためには、もう1つタスクのプロセスを分解して考える必要があるタスクの実行において、P(計画)、D(実行)、C(確認→コミュニケーション)とすることで、子育て共働き世帯の課題を顕在化できます。特に、パパとママが行ったタスクに対して、お互いにその完了レベルの期待値と結果のギャップが喧嘩のきっかけになりやすいと思います。

また、パパとママとが子育てを一緒にするようになって必要になったことの1つが子どもに関することもパパとママで共有が必要であり、さらに共働き世帯では仕事のことも共有が必要となるため、家庭内のコミュニケーションの負荷が高まりやすい状況にあり、特に仕事をしながらの子育ては限られた時間で伝達することが求められ、さらに求めるレベルでそれに応えることが求められるため、ストレスを溜める原因になっていると思います。
このように、子育てと共働きを、タスクとプロセスに分解し、そこにいろいろな制約がかかる時間という概念を合わせることにより、課題を構造化でき、いろいろな人たちの悩みや課題を図に表現することができるのではないかと考えています。また、その課題を解決するソリューションも同時にマッピングすることができれば、必要とする人たちが簡単に課題解決のためのソリューションを選択することができるようになると考えています。

最後に、
パパの子育て参画と言われても何から始めれば良いのかわからないパパは多いと思います。いきなり料理をするのは難しいが、子どもと接するお世話や遊び相手ならすぐにできるのではないかと思います。
また、少し子育てに協力しようとする姿勢が見えたパパにいきなりタスクのレベルを求めるのではなく、まずは行動を起こしたことに寛容な心をママには持ってもらえたらなぁと思います。
このタスクとPDCで子育てと共働きを考えると、少しは感情的にならずに、何が問題かをパパもママも理解でき、子どもの前で笑顔でいられる
時間が増えることを期待しています。