今年はゴールデンウィークを10連休にして、休養を意識して過ごしました。
年明けからかなりストレスフルな生活だったので、連休前半は何もせず身体の回復に努め、後半にはかなり疲労感が抜け、復活しました。
頭がスッキリしたところで、連休中、「DX CX SX」(八子知礼著)を読み、子育てとデジタル、そしてビジネスの関係を整理してみました。
「DX CX SX 挑戦するすべての企業に爆発的な成長をもたらす経営の思考法」
八子知礼著
この著書では、デジタル技術を活用することで、現在の事業をアップデートし、デジタルな事業へと変革する必要性とその方法論を解いています。現状を「DX1.0」とし、デジタル化することを「DX1.5」、さらにDX1.5を活かして「デジタルツイン」を実現し、リアルなことをデジタルな空間でシュミレーションを行い、新しい価値を提供することを「DX2.0」と定義しています。
この考え方に基づいて、こそらぼの現状を整理してみました。
- DX1.0
出産、育児および子育て支援は、子育てで大変な人たちを助けてあげたいと思っている人がたくさんいますが、子育ての当事者から大変ということが発信されにくく、育児が始まると目の前のことで精一杯となり、助けを出しづらいため、子育ての当事者と助けたいと思っている人や事業者とをマッチングできていない課題があります。また、子育て支援は、リアル対面を基本とした手を差し伸べるタイプのサービスや事業が多いため、支援できるエリアが限定的で、広域で提供するという発想があまりありません。
このような課題に対して、「coe(こえ)」を提供したことにより、子育て当事者と応援団とをLINEを通じてデジタルでマッチングし、コミュニケーションをデジタル化したことで、エリアという概念を超えることができました。そして、地方自治体の協力を得ることができたことで、子育てに関するステークフォルダーをデジタルで繋ぐことも可能になりました。
・DX1.5
「coe(こえ)」を通じて、子育て当事者である利用者と応援団がテキストで会話することで、会話の内容をデータで蓄積でき、分析が可能な環境ができました。
今後は、会話の状況から、虐待や産後うつの予兆を応援団が察しつつ、その会話のデータから「喜怒哀楽」の状態を層別化することで、虐待リスクや産後うつの発症リスクなどを会話のコンテクストから予測可能になると考えています。このあたりの開発を次は設計していきたいですね。
- DX2.0
「coe(こえ)」の利用者と応援団のコミュニケーションから虐待や産後うつのリスクを評価できるようになれば、その次にやるべきことは、デジタル技術を活用したリスクに関する可視化とソリューションの開発であり、これがまさに新しい事業へのチャレンジとなります。これは以前から検討を進めている母乳の状態から健康状態を評価できないかというアプロートであり、母乳の状態から抑うつ状態がわかれば、従来の自己申告や問診などのアナログなアプローチでなく、「coe(こえ)」の会話から抑うつ状態を察し、母乳を検査することで、「少し休憩したほうが良い」というドクターストップをかけることができ、深刻な状態にならずに済むのではないかと思います。
また、コミュニケーションをデジタルにしたことにより、地域に限定して活動している子育て中の人たちを応援したいと活動している人や事業者に誘導することが可能になり、なかなかマッチングできない課題も解消できるのではないかと考えています。
これだけではデジタルツインとはならないため、DX2.0の世界についてはもう少し掘り下げて考える必要があり、まだ考えるべき課題が残っています。
これまで出産、育児の課題をイノベーションで解決すると言いつつ、なかなかイメージを伝えることができずに苦戦してきましたが、DX2.0という考え方をもとに、頭を整理したことで、かなりクリアになりました。
これからやるべきことは、これまで考えてきたことと変わりませんが、構造的に整理することができたので、より多くの人たちを巻き込み、スピードを加速できるのではないかと、ちょっとワクワクしています。
ほんと前進あるのみ!そして、「coe(こえ)」の利用者が増え、この整理した考え方をもとに、DX2.0の世界を現実のものしたいと思った連休でした。