Newsletter 2022/04/01 vol.56

いよいよ4月。
今年はノートに活動計画を書きながら、毎月どのように過ごすかを考えて、行動しています。いくつかのテーマが並行して進んでおり、その中でも新しいテーマが「離島に子育てを学ぶ」です。産前産後に起こる課題解決も重要なことであり、この課題解決はこれまで通り取り組んで行きますが、そもそも子育ての課題の先にある課題は何だろうと考えた時、少子化という問題が近いところにあるが、まだあまり踏み込んで取り組んでいる人が少ないテーマだなぁと思っていたところ、出生率の高いところ、低いところの資料をみて、興味をもったことがきっかけとなり、実際に行動を起こしてみることにしました。

離島に子育てを学び、少子化を考える

実は今も離島は出生率が高く、今回訪れた多良間島(沖縄県)は数年前まで3.0を超えていました。そんな離島になぜ出生率が高いのかを学ぶことで、日本の少子化対策に関するヒントがあるのではないかと思って、多良間村の伊良皆村長に会いに行きました。
多良間村は宮古島から西へ60kmほど行ったところにある離島で、人口1124人です。この多良間村は、内閣府が発表している1980-2000年の20年平均の出生率が3.15で日本一の出生率が高い自治体とされています。また、「日本で最も美しい村」にも選ばれている村です。

多良間村は、多良間島と水納島から構成されており、宮古島から飛行機かフェリーで行くことになります。

今回、多良間村に提案してみた内容は、こんな感じです。

妊婦健診をオンラインで

多良間村には診療所はありますが、病院がないため、妊婦健診は2ヶ月に1度、宮古島へ行くことになります。健診と健診の間を、オンラインで助産師がサポートしたり、両親学級なども開催することで、出産育児をサポートするモデルを、オンラインを活用することで実現することで、島民の出産育児の不安をサポートするモデルは成り立つかを提案しに行きました。また、通常、妊婦健診に関しては沖縄県が14回分の検診チケットを配布しているので、実際に健診で利用するチケットは半分くらいで、残りの半分をチケットを活用することで自治体としての新たな負担はなしというところがポイントになります。

地域の濃い関係とオンラインの緩い関係

離島は人間関係が濃密で、みんなでいろんなことができる反面、すべてみんなが知っているという状況になり、あまり周りに知られたくないことを気軽に相談できる関係がないということが課題ではないかと考えています。直敵的な関係でない、間接的な関係で相談できる「coe(こえ)」のニーズがあるのではないかと思い、提案してみました。

研究テーマとして、離島に子育てを学び、少子化を考える

本題であるこのテーマについて研究を進めたいので、協力をお願いできないかと打診してきました。現時点で多良間村は以前のように出生率が高くはなく、人口減少が進んでおり、出生率がなぜ下がっているかを調べる必要があるという課題をお伺いしました。多良間村の子どもたちは中学を卒業すると、島に高校がないため、高校進学のタイミングで島を離れてしまい、その後戻って来ないため、人口減少が進んでいます。人口減少を止めるためには、島外に出ていかなくても教育を提供するか、島外からの移住者を増やすかの政策が必要となります。そのためには島の魅力を外部へ発信する必要があり、そのためには何が魅力かを理解する必要があり、多良間村の魅力を掘り下げるところから考える必要がありそうです。多良間村には、「守姉」という風習があります。「守姉」とは10歳くらいの女の子が兄弟や姉妹でない赤ちゃんの面倒を見るという仕組みです。子どもの時に赤ちゃんのお世話をすることは、自分が子どもを育てるとき、ぶっつけ本番にならずにすみ、今まさに現代の都市での子育てに欠けていることです。

この多良間村は現在も都会の出生率と比較すると、2人を超えているので、出生率は高い方であり、学ぶべきところはたくさんあります。
調査研究のテーマとしては、出生率が高い理由と出生率が低下した理由の2点であり、多良間村としてどんな魅力があり、それをどのように発信するかを考えることがアウトプットとしてのゴールとなりそうです。

今回の宮古島に数日滞在していたので、実は宮古島市の健康推進課にも飛び込みで訪問し、「coe(こえ)」の紹介に行ってきました。新規の飛び込み営業って何年ぶりだろうと思いながら、窓口を訪問し、「coe(こえ)」の説明をして、窓口でチラシを案内してもらえないかと相談してきました。チームの中で検討してみますとのことでしたが、いきなりの訪問者だったので、どうなるかわかりませんが、一つでも多くの自治体で案内してもらえるといいなぁと思っています。