Newsletter 2021/12/01 vol.52

今年もあと1ヶ月。
COVID-19でいろんなことが制限された1年でした。出産、育児に関わる課題はより深刻化、より内部化(家庭内)しており、早く解決方法を提供しなければという思いで、活動してきました。そして、夏にクラウドファンディングを開催し、多くの人に支援を頂いて「coe(こえ)」というサービスをリリースすることができ、1つカタチにできたことが、私にとって大きな成果でした。
そんな「coe(こえ)」の状況を報告します。

「coe(こえ)」を始めてみて

現在、10名ほどのママやパパに「coe(こえ)」を利用頂いており、LINEを使って対話を通じてサポートしています。実際にサポートしてみると、10人それぞれにドラマがあり、中には、精神的に追い込まれ、身体も疲弊しているので、行政と連携して、一時的に赤ちゃんを預かるようなケースも扱いました。また、「連絡が取れないなぁ」と思っていると、急遽入院されて「生まれました」と報告を頂いたケースもあり、ほんと産前産後は計画通りにはいかず、いろんなことが起こることを再認識しました。

家庭内に課題を溜め込まないために

「coe(こえ)」はママだけ、パパだけでも登録できるので、それぞれの立場で話をするので、家庭の課題についても話してもうらことができます。夫婦間の「家庭」の課題は家庭内に閉じて、外部に発信されてないかを改めて痛感しました。家庭の中でパパは大事な戦力であるということを今年ずっと発信してきましたが、どれくらいの人たちがそれを理解頂き、どれくらいの人たちが苦しんでいるのか実態がわかっていません。実際にサポートしてみると、まさに仕事と家庭の板挟み状態で苦しんでいることがわかりました。この課題は当事者の課題というより、周りの社会の巻き込みが必要な課題であり、それは私たちが発信し、社会に気づいてもらうように動かなければならないことがと認識しています。
一方、実際に「coe(こえ)」を提供し、外部に発信されない家庭の課題へリーチできたことは、産後の産後うつ、虐待などの課題解決に向けたきっかけができたことは大きな一歩であり、実行してよかったぁと思います。

家庭内の課題を溜め込まない解決方法として

「coe(こえ)」を利用頂いている方からのアイデアで、「こたえあわせ」という考え方を教えてもらいました。よく女性はトレイの便座を「下げておいて」と言いますが、男性としては「(手が汚れるから)上げとおいて」と言います。それぞれの立場からすると、正当な理由に見えますが、逆の立場だと疑問に感じます。本人にとっては常識(やって当然であること)だと思うことも、相手にとっては違うことって、家庭内ではよく起こります。一方的にその考え方を押し付けると、モラハラに発展することもあり、互いにストレスを感じることが増えてしまいます。また、家庭内の夫婦だけでは、どちらが正しいということも、二人なので一般化できないため、言うこともできません。だから、そんな疑問を第三者である「coe(こえ)」の参加者に聞いてもらい、賛同者がいるかを訪ねてみてはどうかと考えています。家庭内の夫婦問題を自分の中に溜め込むことなく、外部の人に聞いてもらうだけでも、気分は楽になり、相手に対して攻撃的にならなくて済むのです。

「○○すべき」の呪縛から解放するために

始めてわからないことだらけの出産、育児では、いろんな人からいろんな知識を得るため、何が正しいかを自分で判断できないまま、いつの間には全部しなければならないという思いが強くなります。そして、全部やろうと思って、自分を追い込んでしまう人が多くいます。そのことを「○○すべき」の呪縛と呼びます。
子育てを経験した人たちは、「適当でも大丈夫」というアドバイスをしますが、初めての人にとってはどこまでが適当かがわからず、優先順位をつけることができません。このような状況に対して、「coe(こえ)」で日々の日常のことを話していたら、どんな事情かを把握した上で、どこまで適当にして良いかを相談でき、優先順位をつけるお手伝いができます。この「〇〇すべき」の呪縛から解放するために、「coe(こえ)」が貢献できるようにこれからもいろいろ方法を模索していきます。

あと新たなニーズ、海外で子育てするママのサポートが必要!

「coe(こえ)」は母子手帳を配布するときをタッチポイントして地方自治体との連携を強化する計画を前提に進めています。また非対面であり、匿名の世界で関係性を生かしたサービス提供を想定しています。このような特性を生かしたモデルとして、海外で子育てしている日本人のママたちをサポートすることができるのではないかと海外駐在している人からアイデアをもらいました。現地の駐在者のコミュニティは関係性が濃いため、プライベートな相談がし難い状況で、海外での子育てでも孤立の課題は深刻で、精神的に追い込まれてしまう人が多いようです。この課題を企業に提言しても、すぐに動くことができないと想定されるので、すぐに「coe(こえ)」を紹介し、どんどんサポートしていこうと思います。

「coe(こえ)」のサービスをプレオープンして2ヶ月ですが、本当にサービスを提供してよかったと思います。困っている人がいて、その困っている人は出産、育児をする普通の人であり、そんな普通の人たちが困っていることを解決するきっかけを提供することができ、対話を通じて「話を聞いてくれて、楽になった」と言っていただく機会をもらいました。ビジネスになるかはまだ不明ですが、ライフワークとして取り組み、いつかビジネスになればと思っています。

クラウドファンディングにてご支援頂きました皆様に、本当に感謝です。
ありがとうございます。

来年はもっと加速できるようにこれから事業計画を作り、活動していきますので、引き続きご支援をよろしくお願いします。