Newsletter 2020/05 vol.33

完全在宅勤務になって

COVID-19の感染拡大の影響のため、4月は完全在宅勤務となり、自宅の机にPCを2台並べての生活となりました。子どもは学校が休校で、奥さんも自宅で仕事をするようになると、日中家の中に家族全員がいるとどうも変な緊張感が生まれます。特に、子どもは学校からの課題や家の課題などがあるけれど、やる気がその時の気分に左右されるため、ちょっとやる気が入らずに遊んでいると、親から怒られてしまい、さらにやる気が入らないというサイクルに陥ります。親も子どももストレスが高い状況が続いています。平常時であれば、外に遊びに行ったり、週末どこかへ出かけるなどして、ストレスを発散することができるのですが、今はそれができないため、厳しい状況ですね。これが家庭内暴力や虐待につながるのだと言われると、ほんとその通りだと思います。

あと子どもの年齢が小さく、両親が共に在宅勤務の場合、もっとそのストレス状態は深刻ではないかと思っているのですが、あまり周りからその深刻さが発信されていないことが、気になっています。ずっと相手をして欲しいと思う年齢の子どもがいる家庭で、在宅勤務ってどうしているのだろうと気になっています。
「大変だぁ!」と言って、声を出してもいいと思います。

こそらぼの活動として

COVID-19の感染拡大の影響で、両親学級などのイベントが中止になり、産前産後のケアが従来通りにできなくなっていることを課題と認識して、2つのテーマで支援をしています。

1)産前産後ケアのオンライン化の支援
これまで助産師による妊産婦のケアはリアルに対面でコミュニケーションを行い、LINEやメールでコミュニケーションをカバーしていましたが、リアルな対面ができないため、ZoomなどのWebミーティングツールを使ってリアルな対面でのコミュニケーションを試し始めています。実際に、オンラインで顔を見せながらコミュニケーションしてみると、助産師も妊産婦も思っていたほど違和感がないことがわかってきました。オンラインでのコミュニケーションに対して、ツールの使い方への不安があり、それを検証する環境がなかっただけのように思います。

むしろオンラインは気軽に開催できるので、その頻度を増やすことが容易であり、一度に大人数とやりとりできるメリットを感じ始めていて、新しいサービス提供モデルが生まれる可能性が出てきました。しかし、これまで数名の助産師のオンライン化をお手伝いしていますが、コミュニケーションに課金できるかという課題がまだクリアにできていないので、早急にこの課金という課題をクリアにしたいと思っています。

2)里帰り出産に関する課題解決に向けて
4月7日に緊急事態宣言が7都府県に発令され、その後全国に拡大したことを受け、移動が制限されたため、妊娠、出産、その後の育児に関する家族のサポート体制の計画を見直す必要が、妊産婦に出てきています。
(1)出産(分娩)する場所
里帰りして実家の近所で分娩を計画していた場合、実家へ移動することが制限されるため、自宅周辺で分娩できる場所を探し、確保する必要があります。これには学会や行政が受け入れ可能な医療機関のリストを公表し、対応しています。
里帰り出産とは異なりますが、出産する場所の課題として、立ち合い出産が医療機関で中止し始めているため、希望する出産スタイルが叶う場所の変更などを検討している人たちもいます。

(2)育児を開始する支援体制
里帰りするということは、実母を中心として家族が産後の育児の立ち上げ、生活のサポートしてくれるという想定ですが、実家に戻ることができないため、その実母を中心とした家族の支援がない状態で産後の生活をスタートする必要があります。ただ、一緒に生活しているパートナ(夫)がいる場合、重要な戦力にできれば、心強い存在になり、重要なキーマンだと考えています。

このような状況に対して、各地の助産師が妊産婦を対象に産前産後ケアを個別に対応するプログラムを提供する準備を進めていて、そのプログラムの企画、運営の支援をしています。

産前産後の課題は、初産婦さんにとって初めてのことでどんなことが起こるのか想像できないため、何がリスクでどのように回避するのかがイメージできていません。変に不安を煽るのも変な話になりかねません。ただ数多くの事例を見てきた助産師たちが考える陥りやすいポイントは絞れていて、その回避策も自分たちの専門性を活かすことで対応できると考えているので、うまく両者をつなぐことができるように協力していきたいと思います。

そして、初めての出産を控える人たち、特にパートナー(夫)にどんなことが起こるのか、どう自分は対応していかなければならないかを広く知ってほしいと思い、今年はじめにこそらぼでまとめた「The First Diet for Life」という本をWebで販売させて頂くことにしました。