「K3Tunnel」(プログラミング出張授業)

今回のご紹介は日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)が提供する「K3Tunnel」という、「プログラミングで学ぶ」をコンセプトにしたプログラミング出張授業(ワークショップ)です。このワークショップはNSSOLの有志(主に、システムエンジニア(SE))がボランティアで、小学校の高学年、時々中学生を対象に、学校に出向いて開催しています。

「K3Tunnel」が面白いところ

小学校の授業でも2020年からプログラミングが必修化されることが決まり、巷ではプログラミング教室やロボット教室などが広がってます。

今回ご紹介する「K3Tunnel」は一般的なプログラミング教室で学ぶような電子ブロックを使ってロジックを学んだり、プログラムのコードの書き方などを学ぶタイプのワークショップではありません。

「K3Tunnel」は社会の課題をミッションとして子どもたちに与え、そのミッションに対して算数(数学)で説くということをベースにコンテンツが考えられています。なぜならミッションをクリアする過程で、SEの基礎的なスキルを子どもたちに学んでもらいからです。
「IT業界のエンジニア」というと、何やらキラキラしている感じがするし、「データサイエンティスト」と聞くとさらに統計ができて頭脳明晰な印象があります。しかしSEというと長時間労働でいつも辛そうなブラックなイメージがありつつ、子供たちにとってはそもそもコンピュータを使った仕事だけど、何をしている職業かわからないのが実態です。だから子どもたちにとって身近な「家電買いかえ大作戦」や「パン屋さんアドバイザー」などのテーマを準備し、課題を解決するプロセスを通じて、SEという仕事を体験し、知ってもらおうと取り組んでいます。

「K3Tunnel」ワークショップの流れ
まず参加者にミッションが提示されます。そのミッションに関して問題を発見し、その問題に関連するデータを集めることで、その問題をモデル化します。そのモデルに対して、プログラムに関するチュートリアルを参考に、プログラムを作成し、データを解析することで検証します。検証された結果からまた新たな課題を発見するという流れとなります。

他のプログラミング教室と異なるところは、一般的なプログラミング教室では、課題が提示されたら、すぐにモデルが示され、そのモデルに合わせてプログラミングをして作ってみましょうとなります。

課題について掘り下げて考えてみるとか、課題に対してデータで根拠を抑えるというようなアプローチは行いません。プログラムを作ることに重きを置くのか、問題をプログラムで解決しようとするのかという点で異なり、「K3Tunnel」は後者となり、少し変わったアプローチをしているので、注目されいる所以です。

「K3Tunnel」を開催するためには?

現時点ではワークショップの開催は基本無償で行っています。ワークショップの依頼を頂けば、スケジュールを調整し、主催者側で参加者を募集してもらえれば、開催が可能です。ただ、小学校や中学校での開催は、学校の先生やPTAの方々との調整が必要となることが多いようで、はじめての開催までは少し時間がかかるようです。

一度、ワークショップを開催した学校からは、次年度も開催してほしいとか、教職員向けに開催してもらえないかとかという要望を頂くケースが多く、少しずつ開催機会が増えています。2018年は年間10回ほどの開催となりました。今年も同じくらい開催したいと思っているそうです。

Webサイト : K3Tunnel

http://k3tunnel.com